【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
そこまで言うことねぇじゃん、と反論しようと北村を見れば・・・・。
あまりに真剣だったもので、出かかった言葉は唾と一緒に飲み込まれてしまった。
こんな北村、俺は今まで見たことがあっただろうか。・・・・いや、初めてかもしれない。
いつもチビの俺をバカにするくせに、たまに核心をつくようなことをサラリと言ってのける。
いいヤツなんだか、いけすかないヤツなんだか・・・・ズバズバ言い合える仲っていうのも悪くない。
「いいから早く行け!これ以上俺を失望させるな。先輩先輩って言ってるお前がお前なんだから」
そう言った北村の顔が、なんだか少し赤い気がした。
「サンキュー北村!もう二度と礼なんて言わねーから、しっかり心に刻んでおけよ!」
「うるせー、バーカ!」
「へへっ」
そうして俺は、北村に背中を押されて教室を飛び出した。
“男を見せる”
“俺だからできること”
必ず見つけてみせる!!