【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
それから俺は、北村に言われたことを三日二晩考え抜いた。
そりゃあもう、勉強なんて忘れるくらいに、授業中に先生に叩き起こされるくらいに。
そうしてたどり着いた答え。
『俺は先輩のヒーローになる!!』
的外れかもしれないけど、先輩にとったらいい迷惑かもしれないけど・・・・俺がなるって決めたんだ、男に二言はない。
先輩にはいつだって笑顔でいてほしいから、俺なりに頑張るんだ。
「先輩っ!」
「・・・・な、なに?」
「俺、先輩のヒーローになるって決めました!! だから何かあったら遠慮なく呼んでくださいっ!!」
「そうなんだ・・・・あ、ありがと」
とまぁ、具体的にはそれくらいしかしていないんだけど。
先輩に微妙な顔をされたけど。
ただ、毎日「好きっス!!」って言うのをやめた。
───『迷惑だとか嫌だとか、全然思ってないから』
先輩はあのときそう言った。
けれどそれに甘えちゃいけない。
今まで言葉で伝えてきたことを、今度は態度で示していかなきゃと思ったんだ。