【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
バスケなんて体育の授業くらいでしかしたことがなかった俺。
それを聞いたとき、申し訳ないけどいまいちピンとこなかった。
けれど。
練習試合や大会で相手を翻弄する場面を見て、なるほど!と納得。
試合での強さは、先生のもとでの厳しい練習にあった。
「よし、5分休憩!」
先生のその声とともに、みんながタオルやドリンクを取りにこっちにやってくる。
授業はボソボソ声の先生だけど部活のときだけは声を張り上げる。
普段もこれくらいハキハキしていたらいいのに、と思う生徒は少なくない・・・・と俺は思う。
「大ちゃん、タオル投げて!」
「はいっ、晴奈先輩!」
「ごめん大君、あたしドリンク」
「はいはい、小島さん!」
まだ始まったばかりなのに、みんな辛そうに肩で息をしている。
それくらい厳しい練習ってことだよな・・・・と、毎度の光景ながらそう思わずにはいられない。
亜希先輩はといえば、何やら先生と相談している様子。
もう息が整っている先輩は、やっぱり別格の雰囲気が漂っていた。