【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
それから午前中いっぱい練習は続き、さすがの亜希先輩もヘトヘトになった頃───・・。
「今日はここまで!」
やっと部活が終わった。
男バスのほうも長かった部活がようやく終わったようで、後片付けに取りかかっている。
俺も早く片付けなくちゃと転がったボールを拾い集めていると、ふと顔を上げたときに女子部員に囲まれている190cmが目に入った。
・・・・あ、そっか。
今日はバレンタインだ。
朝までは覚えていたけど、練習ですっかり忘れていた。
遠目から見ても分かる。
なんだよ、鼻の下なんかだらしなく伸ばしやがってさ。ちぇっ。
全部義理だぞバカヤロー!! と、ついつい心の声が・・・・。
「ハチ、手伝うよ」
すると突然、両脇に3個ずつ抱えていたボールの1つを亜希先輩にひょいと奪われた。
いきなりのことで、情けなくも拾ったボールまでボトボトと・・・・。
「ハチ、片付けてんの? 散らかしてんの? どっちですかー?」
「すんません・・・・」
案の定、笑われてしまった。