【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
 
まだまだガキな自分を思い知らされた今日は、すぐに家に帰る気には到底なれなかった。

自販機でパンと牛乳を買って簡単な昼飯にして、何をするでもなく教室でぼーっとして。

それから学校を出る。


外は朝の薄曇りから曇りに変わっていて、今にも雪が降りだしそうな重い色をしていた。

時刻は午後2時半。

部活が終わってからずいぶん時間が経っていることに、携帯を見て少しおかしくなった。


「ちゃっぴぃ、ちゃっぴぃ・・・・」


なんて独り言を言いながら、いつものバス停までトボトボ歩く。

俺の記憶が正しければ、2時45分のバスがもうすぐ来るはずだ。

それに乗って帰ろう。


そうして、首周りに冷たい風が入らないよう、肩をすぼめて下を向きながら歩いた俺。

バス停まで着くと、俺が来る前からバスを待っていた人がいたようで、その人の足元が見えた。


・・・・この学校の生徒っぽいな。ジャージにスニーカーってことは、運動部の人か? 誰だろう。

そんな興味を持ったけど、たまたま吹いた強い風で顔を上げることができなくなった。
 

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