【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
「で、とうしたんスか?」
改めて聞くと、先輩はバッグの中をゴソゴソとあさって、大きなハート形の箱を取り出した。
白い箱にチョコレート色のリボンが十字にかかっているそれは、もしかしなくてもバレンタインのチョコ・・・・ってヤツだ。
「はい、これ。みんなからのバレンタイン。渡そうと思ったらハチもういなくなってたんだもん、私が代表で渡すことになったの」
「ありがとうございまっス!!」
「いいえ〜!」
はっ、そうだ俺・・・・。
先輩が俺のぶんもあるって言ってたのに体育館から先に出たんだ。
申し訳ないことしちゃったな、寒い中でわざわざ待たせたり・・・・。
「あっ、すみませんっ!ぬか喜びとかしてる場合じゃないっスね!すみません、すみません!!」
「何そんなに謝ってんの? ハチおっかし〜!私が待ちたかったから待ってただけなのに」
「いやいやいや!そんなのとんでもないっス!すみませんしたっ」
「あはは〜!ハチウケる!」
なんてバカなヤツなんだ俺はっ!先輩が風邪でも引いたら絶対に俺のせいだっ!