【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
 
ペコペコ頭を下げて謝りまくる俺を先輩は楽しそうに笑って見ていたけれど・・・・。

そんな先輩とは裏腹に、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


先輩のヒーローになるつもりが、逆に心配されて、助けられて。

・・・・こんな弱小ヒーロー、誰がどう見たってヒーロー失格だ。


「ハチ、もう分かったから頭上げてよ。・・・・恥ずかしいから」

「・・・・はい」


先輩に肩を揺すられて、やっとのことで俺は顔を上げた。

本当はもっと謝らないと気が済まないけど、そう言った先輩の声が困っていたんだ。

はぁ、またしても・・・・。


「もぅ。ハチはなんでもオーバーなんだよ。私が見ててあげないと危なくて危なくて」

「すみません・・・・」

「ホントだよ!急にヒーローになるとか言い出すし、好き好きって言わなくなるし。どうしたんだろうって心配するじゃん」

「はは・・・・。それは、だって」


先輩の苦い恋の話を聞いたから。

北村に言われた『俺にしかできないこと』を必死に探して、やっと出た答えがヒーローだったから。
 

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