【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
●ミラクル第2チョコ
3日ぶりの学校はすっかりバレンタインの雰囲気もなくなり、いつも通り平穏だった。
俺の机の中には、授業のノートのコピーと、誰が入れてくれたのかチロルチョコが3つほど。
・・・・いや、チロルチョコは北村の仕業に間違いないな。
「よぉよぉ、3日も休んでいいご身分だなぁ。あ、そのチョコ俺からだから勘違いすんなよ」
ほれ見ろ。やっぱり北村だ。
授業と授業の間の10分休憩中に小腹が空いてそれを食べていたら、北村がノコノコやってきた。
「分かってるよ。チロルとチビをかけてこんなの机に入れるヤツ、お前くらいしかいないし」
「おぉ〜、分かってんじゃん!! んで、肝心の先輩からはもらえたのか? チョコ」
「いや、それがさ・・・・」
一瞬、話そうかどうか迷った。
北村は他人の秘密をバラすのが大好きで、こと俺に関しては、それは比じゃない。
亜希先輩に一目惚れしたことを話したときも、その日のうちにクラス中に知られてしまった。
「あん? なんだよ?」
「・・・・お前、誰にも言わないって約束できるか?」