【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
「・・・・先輩っ!ちょっとお話があるんですけど、いいですか?」
部活が始まる前の、ちょっとしたフリートークタイム。
晴奈先輩たちと話している亜希先輩に俺のほうから声をかけた。
一瞬、静かになる晴奈先輩たち。
亜希先輩を見たり俺を見たりと、目だけは忙しそうだったけど。
「・・・・あ、うん。いいよ。じゃあ向こうのほうで話そっか」
「はいっ!お願いしまっス!!」
先輩が指差したのは、体育館のステージ脇の用具室だった。
先を歩く先輩の背中を見上げながら、俺もトコトコ歩いていく。
背中には、晴奈先輩たちの好奇の視線が痛いくらいに感じられた。
「・・・・あの、話って何かな?」
用具室に入った先輩は、近くにあった跳び箱に背中を預けて、いくぶんモジモジした感じで聞いた。
こういう先輩を見るのは初めだった俺は、あまりのかわいさに思わず言葉を忘れそうになる。
ヤバい。ホントにかわいい・・・・。
「あの・・・・ハチ?」
「ああっ!はいっ!! ・・・・その、告白のことなんですけどっ!」