【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
勢いあまって、バサァッと直角なおじぎをしてしまった俺。
もう嫌だ、こんな俺・・・・。
それでも、頭を上げると先輩がクスクス笑っていたから、ちょっとは自己嫌悪から抜け出せた。
「・・・・それで、先輩に2、3聞きたいことがありまして」
改めて話を切り出す。
笑っていた先輩はすぐに真顔になって“うん”と頷き、俺の言葉を待ってくれた。
「先輩は、その・・・・190cmが好きなんじゃないんですか? 前に晴奈先輩と話してるのを聞いちゃったとき、チョコ渡すの迷ってるって言ってましたよね」
「うん、そうだね」
「だから、なんで俺なのか分かんないんス。それに、中学のとき好きだったヤツと似てる俺でいいのかな、って思うんス」
「うん、そうだよね」
「・・・・」
「・・・・」
しーん。
微妙な空気が流れる。
何かを考えている顔の先輩と、その答えが聞きたい俺と・・・・。
「あの告白の仕方はダメだよね、うん。ハチがそう言うのも当たり前だし。ごめん」
しばらくして先輩が口を開いた。