【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
そうだったんだ・・・・。
あのとき渡されたもう1つのチョコには、先輩のそんなモヤモヤした気持ちが・・・・。
「おかしいでしょ? 本命チョコを2つも用意するなんて」
「いえ・・・・そんなことないっス!先輩をモヤモヤさせられただけでも嬉しいっス!!」
「なにそれっ!やっぱりハチっておもしろい。飽きないな〜」
だって、本当にそう思うんだ。
先輩は俺なんか眼中にない、なのに毎日毎日「好きっス!!」って言うだけ。正直ウザい後輩───きっとそんなところなんだろうと思っていたから。
「おもしろくないっスよ!俺今、マジで感動してんっスから!」
「うんうん、分かったって。だからようやく気づいたの、そんなハチが私は好きなんだって」
そう言ってにっこり笑った先輩。
今気づいたんだけど、先輩の顔、耳まで真っ赤っか・・・・。
「でも俺っ・・・・年下だし」
「関係ないよ」
「チビだしっ・・・・」
「それはもっと関係ない」
「・・・・もう身長止まりました」
「いいの、それがハチだもん」