【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
●エピローグ
それから1ヶ月ほど経った、3月14日、ホワイトデー───・・。
今日はたまたま部活が休みになって、はれてカップルになった亜希先輩とバレンタインのお返しがてら街でデートだ。
2人で手をつないで、幸せ気分いっぱいでブラブラと街を歩く。
「あ、ハチ!あそこのクレープ食べたい!超おいしそ〜!」
「・・・・え、また?」
「なによ、女子は甘いものが好きなの!まだ食べられるでしょ?」
「な、なんとか」
「よしっ、行こう!」
「・・・・」
と、まぁ。
午前中、デートが始まったときから先輩はずっとこんな感じだ。
露店でおいしそうなものを見つけては、今みたいに俺を誘う。
3軒目までは、俺も「うまい、うまい」と食べていたけど、5軒目のクレープは正直食べられそうになかった。
本当は、ネックレスの1つでもプレゼントして、先輩を喜ばせてあげたいんだけど。
当の先輩はキラキラ光るジュエリーより食べ物のほうがいい様子。
せっかくお年玉を全部持ってきたのに、このままじゃ食べ物で破産してしまう・・・・。