【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
そんな、ちょっと恋人っぽくない別れの言葉を交わして、先輩と俺はそれぞれの家路につく。
俺が前と同じように「先輩」って呼ぶことについては、先輩は何も言わないけど。
先輩も、俺を「ハチ」って呼ぶのは前と変わりないけど。
・・・・いつか『亜希』『大』って呼び合うようになれたらいいな。
帰りのバスに揺られながら、そんなことを思っていた。
その夜、風呂から上がると、先輩からメールが届いていた。
【来年のホワイトデーはかわいいネックレスがほしいな。
あと、その前のバレンタインは大のために特大のチョコ作るから!期待しててね!】
なんていう内容。
なんだ、分かってたのか。
てか、大のために特大って・・・・。
ダジャレのセンスないぞ、先輩。
【来年こそはプレゼントします!
そのチョコは、もちろん俺だけの第1チョコですよね?】
寒いダジャレに笑いながら、そう冗談めかして返信すると。
【バーカ。当たり前!】
・・・・という、ちょっと冷たいメールが返ってきた。