【バレンタイン短編-2010-】君の第2チョコ。
───*。゚
「西高ー!ファイッ!」
「オー!」
「ファイッ!」
「オー!」
「ファイッ!」
「オーー!!」
冬は雪に覆われるこの時期。
部活開始直後のランニングは、バスケコートの周りを走るんだ。
3年生が引退した今、俺の亜希先輩は新キャプテンとなり、チームのみんなを引っぱる立場。
ランニングも常に先頭を走り、掛け声だって、一番声をだしているのは亜希先輩だ。
俺が女子バスケ部のマネージャーになったのは、地球儀を取ってもらった日から1週間後。
顧問でもある小松先生に頼み込んで頼み込んで、ようやくゲットしたマネージャーの座。
「押しかけマネ」なんて先生に呆れられたけど、そんなの知るこっちゃなかった。
一目惚れのパワーだ。
入学したての頃は学校のことなんて分からなくて、だから先輩のことも知らなかった俺だけど。
先輩はとにかく有名人だった。
1年生のときからレギュラーで、2年に上がった今年はエース。
先輩後輩からもよく好かれ、男女問わずみんなの憧れの存在。