薔薇とアリスと2人の王子
「私、薔薇なんてこれっぽちも興味ない」
「僕らの“地球に来た2つ目の目的”が、君にも共通してると思ったんだけどね」
意味深に笑うと弟は家を後にしてしまったよ。
ぽかんと口を開くアリスの横で、兄も赤毛をなびかせて椅子から立ち上がってさ。
そしてこう言ったんだ。
「お前に“大切なもの”はあるか?」
「……はい?」
「誰にも譲れない、大切なものがお前にはあるのか」
アリスは即答したよ。“そんなもの無い”ってね。
親も兄弟も身内すらいない。夢も目標だってない。
売春生活の毎日に大切なものなんて見出せやしなかったのさ。当たり前の事だった。
「お前も大切なものが無いのなら、俺達と来たらいい」
「どうしてそうなるのよ? お前も、って?」
「俺達は“大切なもの”を探している。それがこの星に来た2つ目の目的だ」
アリスはいまいち理解出来なかった。
「僕らの“地球に来た2つ目の目的”が、君にも共通してると思ったんだけどね」
意味深に笑うと弟は家を後にしてしまったよ。
ぽかんと口を開くアリスの横で、兄も赤毛をなびかせて椅子から立ち上がってさ。
そしてこう言ったんだ。
「お前に“大切なもの”はあるか?」
「……はい?」
「誰にも譲れない、大切なものがお前にはあるのか」
アリスは即答したよ。“そんなもの無い”ってね。
親も兄弟も身内すらいない。夢も目標だってない。
売春生活の毎日に大切なものなんて見出せやしなかったのさ。当たり前の事だった。
「お前も大切なものが無いのなら、俺達と来たらいい」
「どうしてそうなるのよ? お前も、って?」
「俺達は“大切なもの”を探している。それがこの星に来た2つ目の目的だ」
アリスはいまいち理解出来なかった。