薔薇とアリスと2人の王子

「……私、幸せになりたいわ。本当はこんな生活嫌なの」

 アリスは無造作に散らばる小石を睨み、売春を繰り返す自分に重ねた。
 忘れていた『普通の日常』の記憶が甦る。

「――大切なものを思い出せば、あの頃のように幸せになれる?」

 ああ、そういえば。

「幸せになれるかはお前次第だ。そうだろ?カール」
「そうですね、イヴァン兄さん」

 アリスが兄弟の名前を聞いたのは、これが初めて。

to be continue...


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