薔薇とアリスと2人の王子
「裏と表の顔か。この家の娘のようだな。なぁ、アルフレート」
ふいにイヴァンが口を挟んだ。
すると弾かれたようにアルフレート王子が肩を震わして、恐ろしいことでもあったかの様にイヴァンに向かって叫ぶ。
「ちょ、ちょっとそれは言わないでって……!」
「この家の娘? ドリューのこと?」
アリスがドリューの名前を出すと、王子は口をパクパクと魚の様に開閉させて、顔を真っ赤に染めちゃってさ。恥ずかしそうに体を縮めこませたよ。
その様子に首をかしげるアリスに、カールが苦笑を漏らしつつ言う。
「まだ気付かないのかい、アリス? 彼がドリューと舞踏会で踊った王子だよ。ほら、今ガラスの靴を頼りにドリューを探してるっていう」
「え……、あっそうね! そういえば! どこかで聞いた名前だと思ったら」
つまり、こうだよ。
王子はドリューの居場所をとっくに知っていた。
それで屋敷にやって来たはいいが、照れてなかなか会いに行けない。
中庭で不審者よろしくウロウロしていたところをイヴァンとカールに発見されたってわけ。
ふいにイヴァンが口を挟んだ。
すると弾かれたようにアルフレート王子が肩を震わして、恐ろしいことでもあったかの様にイヴァンに向かって叫ぶ。
「ちょ、ちょっとそれは言わないでって……!」
「この家の娘? ドリューのこと?」
アリスがドリューの名前を出すと、王子は口をパクパクと魚の様に開閉させて、顔を真っ赤に染めちゃってさ。恥ずかしそうに体を縮めこませたよ。
その様子に首をかしげるアリスに、カールが苦笑を漏らしつつ言う。
「まだ気付かないのかい、アリス? 彼がドリューと舞踏会で踊った王子だよ。ほら、今ガラスの靴を頼りにドリューを探してるっていう」
「え……、あっそうね! そういえば! どこかで聞いた名前だと思ったら」
つまり、こうだよ。
王子はドリューの居場所をとっくに知っていた。
それで屋敷にやって来たはいいが、照れてなかなか会いに行けない。
中庭で不審者よろしくウロウロしていたところをイヴァンとカールに発見されたってわけ。