薔薇とアリスと2人の王子
「もう! そういうこと。焦れったいわね、とっとと会いに行きなさいよ」
「で、でも彼女はこんな気弱で内気な本当の私を知らないし……」

 王子がそう言った時だよ。4人がいる中庭の隅に、ドリューの声が届いた。

「アリスー? 遅いわね、大丈夫?」

 こちらにやって来る足音がする。アルフレート王子は慌てたよ。

「ど、どうしよう…! この状況をどう説明すれば!」
「いっそ告白すればいいんじゃない?」

 カールが面白そうに笑って言った。
 そんな事してる間に、ドリューの登場だ。

「あ、あら? なんか大勢……?」

 そう言ったとき彼女はハッとして口に手を当てた。
 ドリューもアルフレート王子に気が付いたのさ。

「お、王子様!? なんで此処に!?」
「あっ、え、その……あの……!」

 2人して慌ててね。
 これ以上会話が進まないと見かねたアリスが口を挟む。

「ついに待望の再会ね!」

 いいフォローとは思えないけど、そのお陰か王子がまともに言葉を発した。

「そ……その、ドリューさん……ずっと、探してました……」
「え? あら? 王子様、『……』が多いし、舞踏会の日とずいぶんと様子が違いますけど――」
「……その、つまり私と結婚してください……!」

 王子の顔は真っ赤に熟れて、アリス達まで恥ずかしくなる程だったよ。


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