薔薇とアリスと2人の王子

 そうだったの、とアリスがポツリと呟いた。
 魔女とは何の関係も無かったことは残念だったけど、今はドリューが報われたことが本当に喜ばしかった。

「きっと2人とも幸せになれるわよね! とてもお似合いだもの」

 アリスが少し離れた丘にある城を見て笑った。
 まもなくこの国の王子の結婚式が催されることが発表されている。相手はもちろん、あのサンドリヨン――。

「もうドリューは灰かぶりなんかじゃないわね」
「裏表激しい腹黒だがな」
「アルフレート王子と二重人格同士で、いいんじゃないですか?」

 3人は魔女と大切なものを探すため再び歩き始めた。

 大切なものを見つけたドリュー。
 大切なものを手に入れた者は幸せになれるんだって、証明させられた気がしたよ。

――こうして、不幸のどん底にいた灰かぶりは幸せになったのさ。
 めでたし、めでたし。


to be continue...

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