薔薇とアリスと2人の王子


 野宿はもっと勘弁だ。
 結局年下2人にうまく丸めこまれたイヴァンは、しぶしぶ2人に続いて小屋に向かった。
 小屋は確かに古いものだったけど、近くで見ると意外と綺麗にされていた。誰かが住んでいる証拠だよ。

「すみませーん、誰かいませんか?」

 アリスが木の扉に向かって声をかけると、すぐに扉が音を立てて開いた。
 しかし、人は出てこない。

「あら? 勝手に開いた……?」
「お嬢さん! 下!」

 アリスは声につられて下を見て、それはたまげたよ!
 そこにいたのは小さな人間。アリスの腰までしかない身体に木こりの服を着た小人だったんだ。
 でも小人の顔は髭面のおじさんでね。なんというアンバランス!

「うわあ、あなた小さいのね」
「お嬢さん、この小屋にどんな用事で?」

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