クロスロード

……どういう傾向で送られてきたかは分からない。


元々メールする関係でもないし、ましてや予定を聞かれるなんて初めてだった。

とりあえず返信、また受信……を繰り返していく内に、金曜日に彼女と会うことが確定していた。

約束をしてから『何で僕?』と今更思ったりしたけど……


でも、確実に何かが変わっていっている。


僕は変化が好きではないけど、今回のは嫌と思えなかった。



「ごめんね、長く借りちゃって」

「ああ……うん、大丈夫だよ」

「……なんか碧、最近大人しいね」

「え?」



せーちゃんが眉間にしわを寄せて怪訝そうな顔をする。

大人しいって変なの?僕ってせーちゃんの中でどんなイメージなんだろう。

まあ、確かに部活中はあーちゃんに怒ってることが多いけどさ。



「この前もいきなり金曜日休みだって言うし」



……そこはつっこまないでほしかったんだけどな。

せーちゃんって鋭いのか鈍感なのか分からない。


僕が不自然に目を逸らしたのを見て、眉間のしわを更に深くした。
< 127 / 251 >

この作品をシェア

pagetop