クロスロード
……どういう傾向で送られてきたかは分からない。
元々メールする関係でもないし、ましてや予定を聞かれるなんて初めてだった。
とりあえず返信、また受信……を繰り返していく内に、金曜日に彼女と会うことが確定していた。
約束をしてから『何で僕?』と今更思ったりしたけど……
でも、確実に何かが変わっていっている。
僕は変化が好きではないけど、今回のは嫌と思えなかった。
「ごめんね、長く借りちゃって」
「ああ……うん、大丈夫だよ」
「……なんか碧、最近大人しいね」
「え?」
せーちゃんが眉間にしわを寄せて怪訝そうな顔をする。
大人しいって変なの?僕ってせーちゃんの中でどんなイメージなんだろう。
まあ、確かに部活中はあーちゃんに怒ってることが多いけどさ。
「この前もいきなり金曜日休みだって言うし」
……そこはつっこまないでほしかったんだけどな。
せーちゃんって鋭いのか鈍感なのか分からない。
僕が不自然に目を逸らしたのを見て、眉間のしわを更に深くした。