クロスロード
「碧、部活熱心なのに珍しいなって思ったんだけど……何か用事だった?」
「……うん、まあ」
「そっか。飛鳥が騒いでたからさ、ちょっと気になっちゃって」
あーちゃん……
どこまで僕の邪魔をしたいんだ。
悪いヤツじゃないけどこういう時めんどくさい。
柚と仲がいいから柚の前じゃ言えないけど。何で仲いいのか、そこも摩訶不思議だ。
「今日さ」
「うん」
「出かけるんだけど、さあ」
「うん」
「……せーちゃんとひーちゃんっていつもどこ行くの?」
「へ?」
話の起点が変わりポカンとするせーちゃん。
この流れでいきなり質問したら吃驚するよね。
ならせーちゃんに今日のこと説明すればいいんだけど、わざわざ言うのもアレだし……
こういう時ってどうしたらいいんだろう。
言葉をうまく捻れなくて困っていると、フイにせーちゃんが笑った。
「そういうことは私より実穂ちゃんに聞けばいいのに」
「いや、相手があーちゃんだし」
「それもそうだね」
何気に失礼な会話になっているような。