クロスロード
……あんなことしておいて、今更恥ずかしがるのは変かな。
「わ、私、あの、ふっ、服着て…ないし、だから近くにいると緊張しちゃって、それに隣に翠君がいるの、なんかすっごい不思議な感じして……っ」
「――…」
「っや、やっぱ今のナシ!ごめんなさい、忘れて……」
「そんな簡単に記憶リセットできない」
「……そ、そうですよね」
まるで物理の先生みたい。そういえば翠君も私も理系だもんね……ってこれはどうでもいい。
とりあえず勢いで自分の気持ちを告白したけど彼の反応はこれまたイマイチ。
翠君の感情がよめないのはいつものことだけど、さすがに喜んでる顔ではない。
ああ、またやっちゃった。
いつもいつも、一人で先走って後悔するタイプだもんなあ……
悶々と後悔の波が押し寄せてくる中、隣で翠君がため息をついたのが聞こえた。
「意味がわからない。俺の服脱がしたの、誰」
「っそ、そんなこと聞かないで!」
「その時点でこうなること気づけないわけ?」
「ごごごごめんなさいっ、だからそれ以上は……っ!」