クロスロード

「美鈴さんに、興味があるから」


「……何それ、意味わかんない」


「やっぱりだめですか?」


「だめなんて言ってないわよ」



強気の返事を残して掴んでいた腕を振りほどく。

そしてその腕を、俺の身体へぎゅっと回した。


吃驚したのはつかの間。

ふわりと香る甘い匂いに頭がクラクラする。


でも、それと同じくらい心臓は激しく動いた。

その心地よい香りに酔いながら、恐る恐る彼女の肩に手を置く。



「5日、どこ行くの?」と彼女が言ったのと

「美鈴さんって絶叫系乗れますか?」と俺が言ったのは、ほぼ同時だった。




< 227 / 251 >

この作品をシェア

pagetop