クロスロード
「美鈴さんに、興味があるから」
「……何それ、意味わかんない」
「やっぱりだめですか?」
「だめなんて言ってないわよ」
強気の返事を残して掴んでいた腕を振りほどく。
そしてその腕を、俺の身体へぎゅっと回した。
吃驚したのはつかの間。
ふわりと香る甘い匂いに頭がクラクラする。
でも、それと同じくらい心臓は激しく動いた。
その心地よい香りに酔いながら、恐る恐る彼女の肩に手を置く。
「5日、どこ行くの?」と彼女が言ったのと
「美鈴さんって絶叫系乗れますか?」と俺が言ったのは、ほぼ同時だった。