クロスロード
その私の予感は的中することになる。
直後、日高君の発言によって。
「けど、殴られるのも悪くないよなー」
「ひっ……日高君、そういうの好きなの?」
「好きって言うか嫌いじゃねーっていうか……俺ってマゾかも」
うん、そうだと思うよ……とは言えなくて胸の中で呟く。
外見的にはとてもそんな風には見えないのに。これがギャップ……とか?
私は絶対殴れない。かと言って殴られたくもないけど。
「南城は?あっ、ていうか例の副会長ってマゾっぽいよな!」
「そっ……そんなことないよ!」
「それにお前は、二人の時に豹変してそうだし」
「日高君、私にどんなイメージ抱いてるの?」
翠君も私も日高君のイメージとは違う、はず。
きっと彼は受け身系だから女の子はみんな攻めだと思ってるんだよ、うん、きっとそう。
いやでも……断言できないのはこの前の資料室での出来事。
……思い出すだけで恥ずかしい。
「何黙ってんだよ?図星か?」
日高君の呑気な声に答えることもできず俯く私。