クロスロード

お似合いだなあ。少し……いや、かなり羨ましい。



「お前と千里って意外な組み合わせだよな」

「飛鳥には言われたくない。ていうか、実穂のことどうするつもり」

「あー……困ったな。教室破壊ってどんだけだよ!?」

「誰のせいでそうなったんだよ」



事情を知っているのか冷たい態度を取る咲乃君。

日高君は言葉に詰まって「う……」と呻いている。


彼女さん……よっぽど嫌だったのかな。

誰もいないとは言えいきなりそういうことされたら吃驚はするけど。


……それよりも行動に移した日高君は凄い。


咲乃君は深く溜め息を吐き、じろっと日高君を睨みつけた。



「……実穂の機嫌良くしないと千里まで被害に遭ってるんだけど」

「は?何で?」

「さっきから飛鳥の愚痴聞かされてるんだよ。俺、今日千里と出かける予定あるのに行けなくなる」



それはさすがにマズイと感じたのか、日高君は苦笑して「分かったよ」と短く答える。


咲乃君も掴んでいた腕を離して安心したような表情。

二人とも行くみたいだし、私もそろそろ部活に出ようかな。

例の雑誌を鞄に閉まって出る準備をしていると、日高君が私の名前を呼んだ。
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