クロスロード
「今から部活?」
「あ、はい。篠原さんは写真部行かないんですか?」
「あー、今ちょっと……」
答えにくいのか眉間にしわを寄せて苦い顔。
どうしたんだろう、部員の誰かと喧嘩したのかな。
なんてぼんやり考えていると、さっきの高い声の人が篠原さんの名前を呼んだ。
「千里(せんり)!早くこれ見て!!」
「見たくないって言ってんじゃん!」
嫌そうに後ろを振り返りながら叫ぶ。
そこにいたのは髪を緩く巻いてお化粧バッチリ、スタイル抜群な綺麗な人。
篠原さんのお友達かな。なんか、凄いゴージャスな人だなあ。
「あ、じゃあ後ろの……千里の友達?ちょっとこっち来て!」
それって私と真菜のことかな。
真菜と顔を見合わせ『行こうか?』とアイコンタクトを取り、教室の中へ入っていく。
お友達さんは近くで見るとますます綺麗で、目力たっぷりのキラキラした瞳が私を見抜いた。
「えーと、どうしたんですか?」
「南城さんシカトしていいから!」
「え?」
「これ!ここの欄見て!」
篠原さんが何か言っているのが聞こえたけど、それ以上にお友達さんの声が大きくて私の視線は机に。
椅子に座っているお友達さんが雑誌の一部を指差している。