クロスロード
……何だろう?
マニキュアで色づけられたその先は、読者からの投稿を載せているところで。
雑誌には大きく
『誰にも言えない! 彼とこんなことしちゃいましたSP』
と、書かれている。
……え、これって……
「ここ、ここなんだけどね?あたしの投稿した記事載ってんのよ!」
「は、はい……」
言葉に沿って示された場所を見ると、ペンネームKさんからの投稿、になっている。
気になるのは本文。
なんとも言えない感情が身体を駆け巡り、いざ覚悟を決めてそこを見れば。
……想像を絶する内容が、ビッシリ載っている。
私と真菜は絶句してしまい雑誌から目が離せなくなった。
「ね、ね、凄くない?」
……凄いというか……お友達さん、普段こんなことしてるんですか?
こ、これが普通の女子高生の恋愛なのかな。
だとしたら私、全然追いついていないんじゃ……
「ちょ……香織(かおり)っ、いい加減にしなよ!」
硬直した私達に気づいた篠原さんがバッと雑誌を取り上げて香織、さんに返す。
ほんのり赤く染まった頬が、茶色の髪の隙間から覗いていた。