クロスロード

「実はですね、あたし最近彼氏できたんですけど」

「あ…そうなんだ。おめでとう」

「でもね先輩。そいつ、会う度に求めてくるんですよ」

「……え?」



それって、どういう……

りっちゃんの言葉の意味を理解する前より早く、直々に教えてくれる彼女。



「学校帰りなんてすぐ家に連れ込もうとするんですよ?そんなにヤりたがるもんなんですかねー」



ピキリ


そんな効果音がつきそうなくらい、身体が瞬時に固まった。

隣にいる真菜はポカンと口を開いている。


……ちょ、ちょっと待って。

香織さんといえりっちゃんといえ……こ、これが普通なの?


だとしたら私って……


「でね、先輩に聞きたいことは」


大きな二重をずいっと私に近づけ、ニコリと笑うりっちゃん。

反対に私からは冷や汗しか出てこない。


ごめんりっちゃん……私、そういう系は全然分からないよ。

是非とも香織さんに質問するのをオススメしたい。



「柚先輩と彼氏さんって、もうヤっちゃいましたか?」



……思考回路が一瞬、粉々に砕けた。
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