クロスロード
「ま、まあまありっちゃん。柚こういう話苦手だからさ、勘弁してあげて」
終止符を打ってくれた真菜が、神様に見えたのは気のせいじゃないはず。
良かった、助かった……
りっちゃんは不満そうに口を尖らしたけどそれどころじゃない。
……こんな話したら、まともに翠君の顔が見れなくなっちゃう。
普通の時でさえ緊張してる、のに。
これじゃあ片想いと全然変わらないよね。
「もーっ、柚先輩ってば秘密主義なんだからー」
「ご、ごめん」
「じゃ、最後に一つだけ教えてください」
ニッコリと満面の笑み。
と、同時に私からは再び冷や汗。
嫌な予感しかしないよ、りっちゃん。
真菜から同情の視線を受けながら、りっちゃんは素敵な笑顔でこう告げた。
「どこでヤっちゃいましたか?」
……お願い。
そういう質問は私じゃなくて……香織さんにして!!
なんて心の中で叫んでもりっちゃんに届くはずもなく。
責められ続けた5分後、私は口を割ることになってしまったのだった。