【短編】不器用彼女
不器用彼女

ヤキモチ★貴




窓の外から、温かい風が教室の中へと入ってくる。




風に靡く髪なんてお構い無しに、俺はボーっとする。




これが最近の日課。……つまり暇。




俺の名前は櫻田貴。




関係無く仲良くなるのが得意。




友達なんて星の数ほど居るけど、親友って呼べるのは1人。




彼女は居る。




親友の明弥は図書委員で教室にいない。




「……はぁ」




溜息を溢して頬杖を着いていると、女子が数人近づいて来た。




「貴ぁ~今度うちらと遊ばない?」




そう言って馴れ馴れしく俺の肩に手を乗せてくる。




気にしながらもその事に関しては何も言わずに俺はニコッと笑った。




その瞬間。




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