【短編】不器用彼女
図書委員の仕事で図書室に居る放課後。
いつのも増して今日の機嫌は最悪。何故なら……。
「きゃは!貴ったら」
同じ図書委員の仕事で居る貴の周りにはケバい女子が群がる。
馴れ馴れしく腕とか掴んじゃったり。
必要以上に距離が近い。
それなのに、貴は嫌な顔1つせずに笑っている。
こういう時は基本、貴は聞き役。
明弥とか、あたしと話している時は話し役だけど。
そういう所は特別なのかなって思うけど……、やっぱりいい気はしない。
ドカ……。
苛々しながら大袈裟に本の置かれる音を大きくして苛立ちをアピールする。