【短編】不器用彼女
「いいよ」
そう言ってあたしは図書室を出た。
無言のまま着いたのは、校舎裏。
沈黙に息がつまりそうで、あたしはすごく図書室に戻りたくなった。
ソワソワしだした頃。
彼は大きな声で言った。
「ずっと好きでした!付き合ってください!!」
突然の告白に戸惑いながらも、あたしは言う。
「悪いけど……付き合ってる人居るから」
「知ってる。櫻田と付き合ってるんだよね。でもおれ……櫻田より幸せに出来ると思う。だから……別れておれと付き合ってほしい」
そういえば、貴に告白された時。
確か貴は、“好きです”だったよな……。
たった4文字でも、一生懸命想いを伝えてくれてるって思った。
その顔が可愛くて、いつの間にかOKしてた。