【短編】不器用彼女
「和泉チャン……告白されたの?」
その言葉にあたしはキョトンとする。
「見てたの?」
「……うん」
コクンと頷いて貴は俯く。
そんな貴を見てあたしは正直に言った。
「好きって言われた」
そう言うと、貴はあたしの腕を掴んで掠れた声で言った。
「俺と別れて……あいつの所に行くの?」
あまりにも可愛く言うから、あたしは意地悪したくなった。
無表情で遠くを見ながら。
「だったら……?」
そう言うと、あたしの腕を掴む力を弱くして貴は口を開いた。