【短編】不器用彼女
「……貴」
「明弥……」
俺はニコッと明弥を見つめた。
そして、女子を見下ろして口を開いた。
「悪いけど、用事あるから無理。ごめんね?」
拝むように両手を合わせてニコッと笑う。
「分かったぁ……また今度遊ぼうね」
そう言ってやっと開放してくれたのを確認して、俺は明弥に近づいて行った。
近づいて微笑むと、無表情で俺を睨む。
……?
キョトンとしていると、明弥は溜息をついて口を開いた。