【短編】不器用彼女
「お前…委員会の仕事忘れてただろ?」
はい?委員会???あ……。
上を見ながら思い出そうとしていた俺は、ある事を思い出した。
一応、図書委員に入っている俺は今日、本の整理をする筈だった。
そっか……だから、明弥いなかったのか。
それを思い出した俺は苦笑いしながら頭の後ろに腕を回した。
「ごめん……忘れてた」
すると明弥は、深く溜息をついた。
「はぁ……。まぁ、お前の変わりに千田がやってくれてるから。今から行けよ」
千田……?
「え?和泉チャン、もう行ったの?」
そう言いながら教室をキョロキョロする。