【短編】不器用彼女
「あぁ。って言っても、来ただけだったけど」
そっか……。
和泉チャン行ったんだ。
じゃぁ、俺も行かないとな。
……でも、何で行くって言ってくれなかったのかな。
「分かった。今から行くよ」
そう言って俺はニコッと笑って、明弥に手を振って小走りに教室を出た。
和泉チャンっていうは、俺のクラスメイト。
赤渕の眼鏡をかけていて、黒の長い髪はストレート。
大人しくて、クール。
勉強もできる子。
何でそんな子が話に出たのかって言うと、俺と和泉チャンは同じ図書委員。
そして……俺の彼女。