【短編】不器用彼女
同じクラスになって、誰にも流されず自分流を突き通す強い性格に惹かれた。
付き合ってみて……意外に毒舌だって事も分かったけど……。
そんなこんな3階の図書室の着いて扉を何のためらい無く開ける。
人数が少ない図書室に入ると、俺は高い棚の間を歩く。
……どこかな。
和泉チャンを探すためにキョロキョロしながら歩いていると、棚の前にしゃがみ込んでいる和泉チャンを見つけた。
フッと笑って俺はゆっくりとその背中に近づく。
「和泉チャン」
そう名前を呼ぶと、ビクッと体が揺れた。
「!?…あ、貴」
びっくりしたように目を大きくしながら振り返った和泉チャンは俺を見て目を細めた。
あ……びっくりさせちゃった??
そう思いながらも俺は和泉チャンの隣にしゃがみ込んだ。