【短編】不器用彼女
無表情でそう言う和泉チャンを見て、俺はキョトンとする。
「あ・うん……」
俺はニコッと笑って何冊かあるその本を受け取った。
一応174センチある俺は1番上の棚に本を並べた。
……あんだけ、ツンツンしておきながら可愛い所もあるんだから。
フッと笑いながら俺は、棚に本を並べているのを見上げている和泉チャンを見た。
すると俺の視線に気付いた和泉チャンはキッと俺を睨んだ。
「何?」
凝視しすぎたことに気付いた俺はフッと笑って首を振った。
「何でもない」
すると俺をしばらく睨んで歩き出した。
何だか今日はやけに機嫌が悪い。
俺はその後姿を見ながら口を開いた。