【短編】五月蝿い子
貴の呼ぶ声にハッと我に返った俺。
するとそんな俺を見て、貴はクスッと笑って言った。
「ちょっと話そうよ。久しぶりにさ」
その言葉に俺は素直に頷いた。
「あぁ……」
2人で保健室に入って、先生の怒った言葉なんて適当に流してベットの周りのカーテンを閉めてベットに座った。
すると貴はベットに座るなり俺の顔を見つめる。
「……何だよ」
怪訝な表情で貴を見ると、貴はニッコリ笑った。
「明弥も……不器用だよね」
明弥……も?
「もって……何だよ?」
そう聞くと、貴はニッコリまた笑った。