【短編】五月蝿い子
「え?」
またビクってした。
「俺さ……五月蝿いってばっか言って傷つけてたけど」
自分ばっか考えて俺はこいつの気持ち考えてなかった。
いつも相武ばっか責めて。
「でも……好きなんだ、相武が」
いつも相武を見てたから……五月蝿いって思ったんだ。
考えれば、他の奴等の方が相武以上に五月蝿かったじゃん。
苛々してたのは。
俺が思う事が相武に伝わらなくて、逆に怖がらせてたから。
だからなんだ……。
「うっ……」
すると相武はさっき以上に泣き出した。
「え?」
俺はその反応にキョトンとする。