ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-
「やればできるじゃねぇか」
ヒトゴトみたいにいう恭兄に、一瞬殺意が芽生えたよ。
小屋の中は、いつでも使えるようにピカピカに仕上げた。
ホコリはもちろんないし、ワックスだってかけちゃったよ。
いま思うと、そこまでする必要なかったんだけどね。
恭兄はポンッとヒザを叩いた。
「……なぁに?」
疲れて顔を動かすのも億劫で、ゆっくりとふり返った。
両手を広げて、おいで、のポーズの恭兄。
キュンッ
そんなことされたら、あたし……
「……ぎゅー」
ってなっちゃうんデス。