ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-
「あたし制服しか持ってない」
泊まりが決まってたら用意してたのに!!
ってきこえるかもだけど、決してそんなカワイイもんではない。
恭兄と二人きりになるのは危険だと、本能が警告音を発してるからであって。
なのに恭兄は、不敵の笑みを崩さなかった。
「安心しろ。
喜代子さんに泊まりの了承を得たとき、お泊まりセット一式を俺に渡してきた」
「はっ!?
お母さんに許可とったの!?」
なに考えてんのよ、うちの母親は!!
かりにも血の繋がった愛娘(自分でいうなって感じ?)が男と泊まりにいくんだよ!?
……死ぬ気で止めろよ。
「今夜は寝かせない」
そういった恭兄の瞳は、野生のトラみたいに鋭く光ってた。