ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-
「ご飯なんて、これから覚えてけばいいんだもん」
まだあたしは高校生だよ。
だからすぐには必要ないわけ。
なのに恭兄は大きなため息をついた。
「いままで飯作れるヤツばっかだったのにな」
ズキンッ
“いままで”
元カノと比べられた残酷な単語。
あたしの心臓に、鋭い刃物のように突き刺さった。
心臓が痛むのを感じながら、あたしは少し焦げてる甘いハンバーグを口に運んだ。