ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-
恭兄は無神経。
女の子の気持ちなんて、微塵も考えてないんだ。
あたしがどんな気持ちで、作ったこともないハンバーグを頑張ったか、わかる?
恭兄だから……
ダイスキな恭兄だから、食べてもらいたかったのに。
マズくても、これから頑張るよ、っていおうと思ったのに。
なのに恭兄は、昔の彼女を思い出すんだね。
「恭兄なんてダイキライ」
「……は?」
「ごちそうさまっ!!!」
あたしはさっさと食器を片づけると、なにもいわない恭兄を置いて二階へとあがっていった。