ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-

『詠葉は彼氏に聞こうと思わないの?』

聞きたいよ。


でもそれで元カノのこと忘れてなかったら?


本当はあたしより、元カノのほうを好きだったら?




そう思うと怖くて聞けない。







大地は小さく、そっか、と呟いた。

『詠葉、空見れる?』

「……空?」


あたしはあたりをみまわすと、ふわふわレースのカーテンを開けると窓だと気づく。





チクンッ、と胸に突き刺さる痛み。

あたしは仕方なしにカーテンを引いた。


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