ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-

女の人は、やれやれ、なんていいながら肩を竦めた。

「私は澄香、よろしくね、詠葉チャン」




“すみか”





この人、だったんだ……





あたしは弱虫だ。



澄香さんから差し出された手。





その細い手を、ふりはらうことも、握ることもできなかった。


あたしの知らない恭兄を知っている彼女に、すごくイライラする。


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