MEMORY


「お前…いつから…」

『あたしが初めて、この学校に来た日』

「…」

『まぁ詳しく言うと9月1日の夕方なんだけどね』

「夕方…」

『ピアノの音がして来てみたらピアノ弾いてる人が居たんだ』

「…」

『それから毎日、放課後ここに来て聴いてた』

「毎日…」

あたしは頷いた。


ピアノを弾いていたのは黒澤君だった。



< 63 / 232 >

この作品をシェア

pagetop