MEMORY


何も言わない黒澤君。


夕日に照らされて黒澤君の指に嵌めてある指輪だけが輝いていた…。



『このまま辞めちゃうの?』

「…」

『あたしのせい?』

「…」

『もし、あたしのせいなら明日からココに来るの辞める』

「…」

『もったいない…辞めちゃうなんてもったいないよ!』

「お前に何が分かんの?」

黒澤君は冷たい目をして、あたしに言った。



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