アリスとウサギ
ウサギとキスをするのはこれが初めてではない。
眠っている間にやられたらしい。
アリス自身はその時のことなんて何も覚えていなかったが、体が覚えているようだ。
恐らくあの夜に受けた刺激を、潜在意識からわき出るように感じだした。
腕と唇以外触れられてもいないのにおかしな声が漏れる。
それにウサギが反応するのは早かった。
「そんな声出すなよ」
「違うっ……」
「何が違うの?」
聞いておいて答えさせてなどくれない。
意地悪ウサギとのキスは、呆れるほどに長かった。
すっかり力が抜けてしまったアリスは、ウサギに支えられながら背もたれを立てたベッドに腰掛けた。
彼と同じベッドに入るのも二度目だ。
「ねぇ、ウサギ」
「なんだよ」
「あたしがパソコン借りた日、どうして最後までやらなかったの?」